case4小規模宅地の特例を利用
自宅の土地は、最大8割引(MAX80%OFF)で評価できます。
小規模宅地等の特例とは、個人が相続により取得した土地について、一定の要件を満たす場合には、80%または50%まで評価額を減額する特例です。
被相続人の居住用・事業用の宅地は残された家族や事業を継いだ人の生活基盤になる重要な財産であるために適用された優遇措置です。
配偶者や同居親族等であれば自宅として使用していた土地の100坪(330㎡)までは80%減額できます。
例えば、自宅の土地が1億円でも、2千万円として評価できます。
なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。
小規模宅地の特例の主な適用要件
小規模宅地の特例の主な適用要件は、以下のとおりです。
- 事業又は居住用に供されていた宅地等であること
- 宅地等が建物または構築物の敷地であること
- 配偶者または生計を一にし同居していた相続人であること(※別居している相続人でも適用できる場合があります)
- 申告期限までに相続税申告を行うこと
- 遺産分割が完了していること(※未分割で申告した場合は申請書を提出し3年以内であれば適用が可能です)
- 相続する親族が相続税の申告期限まで事業を営み続け、宅地を所有し続けておくこと
平成30年税制改正大綱 ~小規模宅地等の特例に関する見直しが行われています~
「貸付事業用宅地等」の適用要件について改正が行われています。
平成30年4月1日以後の相続開始案件から適用される見込みです。平成30年3月末までに貸付事業の用に供していた宅地等については、経過措置が講じられており3年縛りはありません。
平成30年税制改正大綱 改正内容 「貸付事業用宅地等」
貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が当該貸付事業の用に供しているものを除く。)を除外する。
- 相続発生(被相続人の死亡)の3年以内に貸付事業の用に供された宅地等は50%減額の適用ができなくなります。
- 相続発生(被相続人の死亡)の3年超、事業的規模で貸付事業をしていた宅地等については除きます。
ここで、事業的規模かどうかは実質判断となり、目安としては「5棟10室基準」です。これに該当すれば、概ね事業的規模と判断されます。
貸家で5棟以上、アパートやマンションで10室以上の不動産を貸し付けているかどうかです。
他にも「特定居住用宅地等」(いわゆる「家なき子特例」)についても平成30年税制改正大綱にて改正が行われています。ここで全ては説明できませんが、小規模宅地の特例を使うためには他にも要件があります。
複雑な判定を要するため、事前に相続に強い税理士に相談し、要件を満たしておくことが肝要です。適用できるか否かで、大幅に土地の評価額が変わります。